このレビューはネタバレを含みます
不思議な映画体験だった。奥深い。
久しぶりに映画で感動した気がする。
まさにDAYS(日々)を描いているが、何の変化もない日常を愛するものでもない。むしろ変化を愛する、楽しむ男の姿が描かれる。
平山の「何も変わらないなんてことあってたまりますか」という言葉、そしてエンドクレジット終了後の最後の最後に現れる"KOMOREBI"という日本語の説明で確信した。諸行無常。日本人の精神性を伝えようとしているのかな。
平山の充実した毎日も、最初はいいなと思ったものの、これがずっと続いたらキツいぞ…と思い始めたくらいで物語が動き出す。
最後の役所広司の表情、あれは何だ。
あれはヤバい。何か凄いものを見せられた気がする。
黒光りした車で現れた平山の妹、夫ではなくただの運転手しか出てこなかったところを見ると、既に離婚しているのかもしれない。仮に平山が父親に勘当された過去を持つとしたら、妹がその父の会社を継いでいる?
何があったか詳しくは語られないが、役所広司の演技が観客の想像を掻き立てる。
想像させる。これが映画。粋。美学。みなまで語るなかれ。
でも作り手はすべて決めた上で組み立ててるんでしょうね。どこを見せてどこを見せないか。役者もバックグラウンドを理解した上で芝居をするから深みが出る。説明台詞なんか蛇足よ。
夢の描写が効いている。イメージの集合体。
確かに平穏な日常生活の中でも人は夢を見る。具象と抽象の中に生きている。
平山が読書家であって、フィクションを愛するが故に夢が神秘的な印象を与えるのか。
カメラ好きで変わりゆく日々をフィルムに記録していることも影響している。毎日毎日同じ木をほぼ同じ角度から撮影しているが、当然一枚として同じ写真はない。些細な変化を捉えてその都度感動している。
時生がニコラス・ケイジに見えたww
時生憎めないw幸せになってくれ。
金が無いと恋もできないなんてどうなってるんですか?!!
俺も怒っている。