nakaji

PERFECT DAYSのnakajiのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
2.0
役所広司がカンヌ国際映画祭の主演男優賞を受賞
日本国内のキャッチコピーは「こんなふうに生きていけたなら」

??????
え、こんなふうに生きていきたいの?
70近い男性が文化住宅に一人暮らし
仕事はトイレの清掃員
一見、とても不幸にしか見えないのに、実は幸福だって言いたいのか?

ぜんぜん理解できません
役所広司の最後の泣き笑い
あれはハッピーエンドに見えるんですか
僕にはこんな状況になってしまった人生への後悔にしか見えなかったんですが

監督の意図がこんな生活を肯定しているようには全然見えなかったけど
ラストシーン、涙を流しながら口はわらっている
あれは、三浦友和に対して自分を幸せだと感じたという浅はかな表現だとは思いたくはないんですが

そういえば、軽薄な同僚との絡みの後も訳のわからない笑い方をしてました

これが、精神状態の木漏れ日なんでしょうか
意味分かりません

年寄りの男性の一人暮らしほど惨めなものは無い
最近、おすぎとピーコのおすぎさんの不幸な記事が出ていましたよね

歳とったら、人は1人では生きていけないんですよ
その時のために、ちゃんと準備をしておかないとね
その日暮らしの主人公にはそれが全くできていません
お先真っ暗ですよ

彼は真面目で、規則正しく生活しているように見えますが、おかしい所が沢山あります
実は彼は金持ちの息子だったとわかるんですが納得できます
慎ましやかなようで、毎朝、自販機で飲み物を買う
スーパーで買いだめしとけば安いのに
自炊を一切しない
ヤカンで湯を沸かすのに、コンロに火をつけてから、ヤカンに水を入れる
ガスがもったいないですね
なんか、地に足が着いていない

トイレ清掃中に子供を保護した時は、作業していたゴム手袋をとったはいいが、子供を抱えた時、手に持ったままの手袋が子供に接触していました
色々雑なんですよ

いいかげんな若い同僚に、金を貸してしまうのもお人好しのええカッコしい
金持ちのお坊ちゃんですよね
金持ちでないうちの親父はそれで破産しました

銭湯の常連さんくらいの歳になって働けなくなるまでのマダラな時期なだけ
それが木漏れ日ですか

結局、日本のトイレが外国人にとって不思議に思うくらいキレイなのにひっかけて、底辺と思われる職業のトイレ掃除と幸福のギャップを表現したかっただけじゃないでしょうか
海外では、社会からはみだして1人で生きていける人をリスペクトしている映画が多い
でも彼らは、社会で生きていくうえでの義務を放棄しているだけです
義務を放棄すれば、人一人生きていくだけなら、たいして難しくは無い
でもそれは社会があってこそであって、なければ、のほほんと生きてはいけないんですよ
義務を放棄しながら、社会の恩恵を受けているズルい生き方です

例えば、人は育てられた恩を親の介護で帰してヒフティヒフティです
今回は、あからさまに実は”金持ちのボンボン”の設定ですから好きなようにできますが、
庶民は子供の世話にはなりたくないと言っても限度があるからね
そういう意味では、”こんなふうに生きてみたい”になるのかな
おかしな作品です

おかしいといえば
二階建ての文化住宅は上の階は別の人が住んでいるはずですよね
彼の部屋は階段があって二階にも部屋があったんだけど、どうなってるんだろう?
メゾネットタイプの文化住宅ってあるんかな
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