冒頭の一人のシーンは好き。平山の整えられた日常が、これからどんなドラマによって崩されていくのか楽しみだった。私も、崩すのが楽しいゆえに自分にルールを課すのが好きだから。でも外の世界が見えてきた(柄本時生の登場から)ところからリアリティがなくてさむかった。幼馴染に障害を持たせる意味も分からないし、女性キャストの位置が謎すぎた。平山から見たら周囲の近めな女性は全員ああいう特異な雰囲気に見えてるってことなのか、平山の周りにはそういう人が自然と集まってるってことなの？どちらにせよ、馬鹿にするなと思いました。
この良さが分からないやつは感性が鈍いみたいな選民意識を植え付けるのが上手。こんなの、悪く言いづらいもん。本の扱いといい、音楽の登場の仕方といい。私も音楽や本が大好きだし、それを介して人と繋がれるのが嬉しいけど、なんかこれは、なんだかなぁ。
平山の妹が出てきたシーンは、役所さんの演技が良すぎて思わず涙が出た。初めて演技で泣かされたのビックリ。完全に役所広司頼りなのに、"なんでもないがある"的パッケージをしてるのがそもそも私にとって違和感なのかもしれない。最後の長回し→木漏れ日の解説は、酔いしれすぎてて、観てること自体恥ずかしくなった。まぁ、監督が楽しんで撮っているのがひしひし伝わったので、別に私が好きと思えなくても映画としては良い映画だよなーという感じ。勝手にやってろ系。
