役所広司演じるトイレ清掃員の平山さんの日々を描いた作品。
役所広司の演技は凄いというか、こんなほぼ1人演技でずっと見てしまう演技が出来るのは凄い。
ただ、ストーリーとしては共感できたようなできなかったような、、、。
平山さんにとっては、毎日同じ仕事の繰り返しであっても、そこに日々違った喜び、驚き、悲しみがある。
その当たり前の日常に満足しているものの、何かのきっかけで涙が溢れてくる。平山さんの涙の意味を観た当時は、はっきりとは分からなかった。
この作品で監督は何を伝えたかったんだろう？日々の当たり前の日常を味わうことが「パーフェクト」ということ？トイレ清掃員という仕事であっても日々を楽しんで生きれるということ？
→トイレ清掃員という仕事を無意識的に下に見てる世の中へのアンチテーゼ？確かに、作中でも平山さんの妹？が「トイレ清掃員やってるんだ、、、」という、なんとも複雑な感情が現れた表現があった。
別にトイレ清掃員が悪いと言うわけではないけど、身内がそれをやってるのは人に言いづらい、、、みたいな思考を感じた。
でも別にそれ以外では、平山さんの仕事を下に見るような表現はなかった。
ということはそこは作品のメインテーマではない。
一方で気になるのが、同僚タカシの友達？のでらちゃんとのシーン。結局あれにはどんな意味があったんだろう？
タカシが仕事を辞めた後のでらちゃんや、タカシの彼女がカセットテープ好きってことも、結局再度出てくることはなく日常の一コマとして流れていく。
邦画って、そういう「なんでこのシーンあるんだっけ？」というシーンが少ない印象があったから、ちょっと違和感があったのかも。
海外の監督だからってのもあるかも、、、
役所広司の演技は、「平山さん」を演じる上では完璧だった。だからこそ、「怪演」と呼ばれるものとはちょっと違う。
どこにでもいて、人と話すのが苦手で、でも優しい、そんな平山さんを完璧に演じている。
ただ、単純に自分が好きな演技が迫力ある怪演なんだな。『虎狼の血』の役所広司の演技が凄すぎて、そっちの印象が強すぎたのかも笑
この作品を見て、「自分の日常はパーフェクトなのか？」は考えることが増えた。この2年間、変化が激しすぎて日常が日常じゃなくなってたけど、それって幸福なのかなって。
変化の少ない当たり前の日常こそが、完璧なデイズである可能性もある。
落ち着いた生活をしてようかなと、2024年3月に感じています。
公共トイレでめっちゃきれいなトイレあるけど、感謝して使おうと思いました☺️
