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PERFECT DAYSのmeのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


観終わった直後は「感想」ってほどの言葉が出てこなかったけど

私はこの映画を平日の昼間に田舎の木造建築の映画館で1人で観て
帰り道を歩きながら
「平日の昼間にこんなことしてるの、会社員やってる大人たちからしたら意味わかんないんだろうな〜」「でも私はこんな自分の人生が嫌いじゃないな、なんなら結構好き」
と思ったところで
「あぁ、これがパーフェクトデイズなのか。あの人のパーフェクトデイズを観たからこんなふうに思えるんだ。」
とようやくタイトルの意味が染み渡ってきた。

妹からの「こんな家に住んでるんだ」
「本当にトイレ掃除の仕事してるの?」という言葉にあったように
きっと世間では「羨ましい」なんて思われない、むしろ嫌がられるような生活をしてるのかもしれないけど

あの人のあの生活はあれで「完璧」で美しくて
何にも変えられない安心があった。
小さな幸せだとかこだわりだとか人の優しさだとか。他者とのつながり方とか。完璧だった。
それを本人はわかっているし
姪っ子もわかってた。
自分がわかっていれば良くて
他人からどう思われるかなんてことはどうだっていいのだ。
そして時々わかってくれる人もいる。

最近ようやく自分の人生を
「自分が幸せだってわかっていれば人からどう思われてても別にいいか」
と思えるようになってきて
なおさら胸に刺さるものがあった。

あとは、平山さんの住む家が
友達の家に構造や雰囲気がそっくりで余計に没入してしまった。たぶん同じくらい古い家なんだと思う。
その友達の家に初めて入った時も、
「家の良さに築年数とか関係ないんだな。好きなものを集めて好きに生きている人の家ってこんなに素敵なんだ。」と思ったのを思い出した。あの家も完璧だったんだなあ。

その友達がこの映画を
「説明不足が美しい映画だった」と言っていて
とっても共感した。
父親のこととか、あの生活になるまでのこととか、どんなふうに生きてきたのか、映画の中では何も言わない。
「どんな風に生きていくのか」に、過去や親なんて関係ないもんなあ。
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