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PERFECT DAYSのeryuのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 すごく面白かった。でも、ただ『面白い』で済ませてはいけないような初めて感じるような気持ちになった映画だった。
 日常を描いているような映画というか、大きい出来事がない映画は今までつまらないと感じてしまっていた。でもこれは違くて、観ていて飽きない、逆に引き込まれていった。感動して涙を流すくらいだった。なぜこんなに引き込まれたんだろう。
 60代独身トイレ清掃員男性が画面に売っていて、役所広司さんなんだけど、仕草や細かな動き全てが60代独身トイレ清掃員男性だった。久しぶりに会った、思春期の姪との接し方も、仕事が全部自分自身に降りかかってイライラしている姿も、お風呂屋さんで少年のようにぶくぶくしている姿も、彼の日常をそのまま観ていた感じだった。テレビとかで特集される日常ではなく、生活そのものだった。
 小さなことに喜びを感じ、ふと悲しくなり、また幸せを感じる。それこそが素敵な日々で、パーフェクトデイズってそういうことなのかなと思った。
 何の違和感なく、見る側に生活感を感じさせる役所さんの演技力と観察力が本当にすごいと感じた。その努力が、カンヌの賞受賞に繋がったのかなと思った。
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