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PERFECT DAYSのtwitwilightsのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

昨年末に続いて二度目の鑑賞。やはり素晴らしかった。youtubeに溢れるモーニング・ルーティン動画には鼻白んでしまうのに、何故にここまで本作は魅力的なのか。映画の魔法、などという感想しか出てこない我が脳内にも鼻白んでしまう。とはいえ、一度目の鑑賞時には、主人公本人の嗜好を含め、サブカル要素濃厚なさまざまな仕掛け(電通色)に、“あざとさ”とような意地の悪い感想を持ち得たのだった。本作を生むきっかけとなった巨大資本によるPR動画の側面。インディー映画好きが喜びそうな端役キャスト。しかし、そんな雑音に飲み込まれることもなく、没入を余儀なくされる映像の力がそこには間違いなくあった。眠りにつく一歩手前の意識の混濁、その映像表現が本当に素晴らしい。ヴェンダース自らが選曲した(本当だろうか)という平山の愛聴音楽。カセットテープ。金延幸子「青い魚」には心底驚いた。パティ・スミスに惚れ込むアオイヤマダ演じるアヤ。ルー・リード。アリサ・ナカノ演じる“ニコ”という名前は、ヴェルヴェッツうんぬん、そこからの引用に他ならない。100円の中古文庫。ウィリアム・フォークナー『野生の棕櫚』、幸田文『木』、パトリシア・ハイスミス『11の物語』。アナログ・カメラ。缶コーヒー。銭湯の一番風呂。そして、SNSでひと度炎上した「ていねいな暮らし」と、本作の相違を考える日々は続く。
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