このレビューはネタバレを含みます
※自分のためだけのメモ
好きなシーン、セリフのネタバレあります
旅先で空いた時間に上映していた映画
偶然観た映画だけど、それがまた良かった
早めの晩御飯をいただいて、雨のなか辿り着いた映画館でゆったりと鑑賞
冒頭30分ほどはひたすら調理と食事のシーン。
キッチンって戦場だ。下ごしらえをしては焼いたり、切ったり、縦横無尽に人が入れ替わりながら料理を仕上げていく。
おかず1品を日々ようやく作るようになった私は、もう目が回る目が回る。
料理って、出来上がった物だけじゃなくて、食材だけでもなくて、作る工程すら芸術の一部なんじゃなかろうか。(そして全ての芸術作品はそうじゃろう、と気づく)
トラン・アン・ユン監督の映画は初めて観たけど、映像美が濃厚。厚みを感じる。
劇伴がいっさい流れない本作では、鳥のさえずりがよく聴こえる。鍋が熱く燃える音も、足音も。だから目の前の出来事に自ずと集中してしまう。
最後の長回しのシーンが大好き。
暗い色彩から光の射す明るい色彩へキッチンが移り変わり、その真ん中にドダンとウージェニーが座っている。
ドダンはずっとウージェニーに結婚を申し込んでいたけど断り続けられていた。
ようやく2人は夫婦になったけれど、ウージェニーはやはり気がかりだったんだろう。
「私はあなたの妻?料理人?」と尋ねるウージェニー。「料理人だ」と答えるドダン。
美食家ドダンと料理人ウージェニーは料理を通じて語り合ってきたから、夫と妻というカテゴライズよりも、ウージェニーは料理人という立ち位置を愛して大事にしていたんだろうな。
旅先で映画を観るのが好きになったのは友達のおかげ!!
この映画も旅の思い出と共に大事な作品になった!!