nanami

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のnanamiのレビュー・感想・評価

4.1
"痴情のもつれ"の一言で片付けられてしまう様な事件の裏側には、
当時の台湾の社会情勢や閉塞感、高圧的な教育環境など、様々な事情が渦巻いていた。

負のスパイラルに堕ちていくことしかできなかった小四も、
不安を晴らすために男に頼ることしかできなかった小明も、
"こうしないと生きていけなかった"事情を抱えていた。
初見では躊躇する4時間という上映時間は、その事情を紐解いていくための時間。
本当は、4時間の映画では描ききれないほど、複雑な事情が絡んでいたのだろう。

情勢は違えど、今の日本にも通ずる部分はあるなと思った。
近年の歌舞伎町の事件とか特にね。他人事にしてはいけない作品だ..。
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