つむ

落下の解剖学のつむのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

50 Centの「P.I.M.P.」をインストで聴くやつなんている?しかもあんな爆音で?
って冒頭に笑いそうになったけど、物語が進むにつれてあの曲だった理由とか爆音だった意味とか、サミュエルの心情を想像すると良くできてるなと。
インストだったのは子供に聴かせる歌詞じゃないから息子ダニエルへの配慮かなと思ったり。

こちら側が真実だと思うことに常に揺らぎを与えてくるザンドラ・ヒュラーの演技。自分はサンドラがサミュエルを殺害したと前半は思っていた。法廷で流された夫婦喧嘩の音声。あの喧嘩が決定打となって絶望したサミュエルは自ら死を選んだのでは?と考えるように。そうなると背中を押したのはサンドラであって間接的に殺害したことにもなるから、罪悪感を抱えたような表情も腑に落ちる。
結局は分からないのだけど、この映画の肝はそこじゃない。

結論への根拠が足りないからその時の状況で判断するしかなかった息子ダニエルが選んだ真実に涙した。
とても深い人間ドラマ。息子の事故、夫婦や親子の関係、言葉の壁。脚本が絶賛されるのも納得。

それにしても犬のスヌープが凄すぎた。
アスピリンのシーンどうやって撮影したんだろう。
スヌープって名付けたのはサミュエルに違いないな。
つむ

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