梅田

落下の解剖学の梅田のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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『スリー・ビルボード』『ゴーン・ガール』みたいに脚本の魅力が輝く映画であることは確かだけど、それ以上に、演者の気迫や音や反射の光の演出、印象的な雪と血の配色など隅々まで隙のない素晴らしい作品だった。そういう意味で、まったく「脚本先行」とは感じなかった。とりわけ盲目の息子ダニエルを演じたミロ・マシャド・グラネール君はほんと凄い。
"Hot lawyer"ことヴァンサンとサンドラとの微妙な関係や、どういうわけか正真正銘のラストまでまったく途切れない緊張感とか、なんでこんなにシャープなのか僕にはよくわからない。この手のスキャンダラスな事件モノにしては「世間からの風当たり」みたいなパパラッチ要素がとても少なく、それはとてもスマートで、フォーカスが絞られた印象に寄与してるとは思った。長さを感じないくらい面白かったです。
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