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枯れ葉のmayのネタバレレビュー・内容・結末

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

日々の暮らしはノイズで溢れている、

工事現場の騒音。
ラジオから流れる戦争の状況を伝える淡々とした声。
電車のブレーキ音。
一定のテンポを刻む不穏な心電図(改めて音だけを聞いていると、とても生きている人間の心音とは思えないような気持ちになった)。

多くの人が工事現場で働いて、巨大なインフラを作っては、戦争ですべてを破壊している、この無意味さ、虚しさ。

ノイズが際立つこの物語の最後は、アコーディオンの音に乗せた素敵な歌がふたりのあいだに流れた。劇中で流れた歌は、この曲も含めて、ほとんどが悲しい歌詞だったけれど、そのどれもが、少なくともノイズではないように思った。

この物語はきっとハッピーエンドなのだ。アンサは、怪我をして松葉杖で歩く彼のペースに合わせることはしないけれど。それが、ふたりにとっては、ちょうどよい距離感であって、ノイズの生じないリズムなのかもしれないと思ったり。

memo
映画の引用
・ブレッソン「田舎司祭の日記」
・ゴダール「はなればなれに」
・ゴダール「気狂いピエロ」のポスター
・犬の名前はチャップリン
may

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