このレビューはネタバレを含みます
彼女は実はずっと孤独だったのかもしれない。
夫とは5年間ずっと離れず一緒にいたの、愛する人とは何があっても一緒にいるべき、と相手に語りかけるようでいて、自分に言い聞かせているみたいに、ともだちの家を渡り歩きながら、同じ言葉を繰り返している。しかも、この言葉は自分の言葉ではなく、夫の言葉。
同じ発言を何度も繰り返しているのは本心ではないと思う、というともだちの言葉は、ガミにはどう響いたのだろうか、
女たちの友情は、穏やかでなんだか親密で、ひさしぶりの再開でも、すぐに昔の空気を取り戻す。それでも、本心を言えなかったり、価値観が変わっていてしまったり、ぜんぜん違う生活をしてたりする、あのなんともいえないさみしさ、
ガミは、最後に、同じ映画を見に、映画館に行く。また、くりかえす。孤独を埋める方法は、孤独を愉しむことしかないのかもしれない。それを心から愉しめないとしても。彼女はきっと、年をとったのだ、