鑑賞日:2024年5月24日
パンフレット:900円
”その場所”以外、無関心――!
A24製作の作品はかなり好き嫌いが分かれる(「ボーはおそれている」は微妙だった)とは思うんだけど…
今作は題材と予告編からかなり惹かれたので、鑑賞してきた次第。
監督のジョナサン・グレイザーってジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」のMVを撮った方なんですねー♪
まずはこの邦題を考えた人、凄い!
このタイトルに尽きるというか…。
映画は、ヘス一家が川辺で水遊びとベリー摘みをしているシーンから始まります。
って、あらすじを語るようなシーンは全く無く…
ヘス一家の日常を淡々と描いていきます。
ただ、ヘス家の隣りにはアウシュヴィッツ収容所があり、、、
家長のルドルフはそこの所長ということ…
収容所の隣りという”異質”場所ながらも、裕福な日常を送るヘス家の面々…。
壁一枚の向こう側はまさに地獄で、銃声、悲鳴が聞こえ…
ルドルフのブーツには血がこびりつき…
煙突から立ち昇る煙が見え、燃やす臭いがし…
近くを流れる川には灰が流され…
その灰は地面に撒かれたり…
あくまで直接的な描写はないものの、観客の想像を駆り立てるような演出の数々は見事としか言いようがない!
とにもかくにも、ヘス家の面々は収容所のことは”無関心”で…
中でも一番はルドルフの妻のヘートヴィヒの無関心っぷりは凄かったな。
ヘートヴィヒの母親はちょっとばかりマシだったような気もする。
知り合いが収容所にいると言い、家財のことを話していたりしたけど、夜中に煙突の煙を目の当たりにして、すぐに帰っちゃったし…。
ルドルフはルドルフで、ユダヤ人の女性を相手に…!?
不浄に思い、念入りに洗っていたりと…。
そういえば、暗視カメラの映像みたいなので、
リンゴを置いていく少女は実際の人物をモデルにしているとか。。
任務をこなすルドルフはというと…
終盤の描写を見る限りでは、ストレスを感じていたのかなぁ…(推測)
病気、、、ではないよね???
唐突に現代の描写が差し込まれるラスト…
作中で描写がなかっただけに、なんかこれはインパクトがあった。
エンドロールに流れる曲は不安に駆られるような感じで、
しばらく呆然としちゃうかもしれません。