選択的無関心。
その悍ましき所業にこそ人間が人間たる業の深さが詰め込まれている。
今年の大本命の一つ。長かったぁ....
半年前くらいにジャミロクワイの『Virtual Reality』の監督って聞いて衝撃を受けた。
レディへの『Karma Police』を監督してるってのをつい先日聞いてさらに衝撃。
民族浄化が雑音ですらなく、環境音と化している恐怖。中東やパレスチナの今を知る我々の姿と重なる。これを他人事として見られる人間はもはや救いようがない。何も起こらない映画だからこそ「でも塀の向こうでは、あんなことやこんなことが...」と、明らかに異常が起き続けている背景に意識が向く巧妙な作り。空間的にも心理的にも直接"見せない"からこそ奥行きを感じさせるという珍しい映画。
素晴らしかった。
音を"見る"映画という点で『ギルティ』が思い浮かんだ。
これを観て何も感じられないほど無自覚でいられたら、ある意味幸せなのかもしれない。