このレビューはネタバレを含みます
WOWOWにて視聴。
誰もがナチスやアウシュヴィッツのことは知っているし、私もある程度知っているつもりでいたけれど、まだまだ知らないことばかり。
アウシュヴィッツ収容所の、壁一枚で隔てられただけの敷地に、
ナチス党員とその家族がごく普通に、そして贅沢に暮らしていたこと。
関心領域とは、アウシュヴィッツ強制収容所で働くナチスが暮らすために設けられた、収容所周辺40平方キロメートルのエリアを指すこと(ネットから引用)。
当初ナチスはユダヤ人を銃殺していたけれど、銃殺に加わった党員の中に精神疾患を患う者が多数出てきたため、「簡単に」「大量に」殺すために、アウシュヴィッツ収容所が建設されたこと。
不気味で、不安を否応なしに掻き立てる音楽は生理的に聴きたくないものだったが、当時の不穏な状況が想像できてある意味素晴らしかった。
銃声や恐怖・苦悶で発せられるうめき声や悲鳴、美しく青い空にもくもくと 昇る煙、夜中も稼働する炉、人が焼かれる臭いが漂う場所で、それらを一切無視して自分たちの生活にのみひたすら関心を寄せることができる人達の無関心さに吐き気がした。
さっきまで生きていたであろうユダヤ人の衣服を、ユダヤ人の使用人に渡すところなど、ナチスにとってユダヤ人が家畜以下の存在であったというのがよく分かる。使用人たちがどんな思いでその服を受けとらなければならないのか、想像力の欠如の恐ろしさたるや。
私も同じ立場になる可能性は十分あるのが怖い。
自分への戒めとして、そして将来に繋ぐため、観て良かった。