歩く肉

少年、機関車に乗る 2Kレストア版の歩く肉のレビュー・感想・評価

4.0
冒頭のクレジットでリマスターの監修にファイト・ヘルマーの名前があるのをみてちょっと驚いたが、ヘルマーとフドイナザーロフは友人だったんだね。自分にとって特別な思い入れがある作品を撮った監督たちの意外な繋がりになんだか嬉しくなった。

本作における機関車は、此処ではないどこかに通じる道具であると同時にそのままメタファーにもなっているように見えた。
機関車、蝙蝠、胸ポケットにつけたイヤリング。お兄ちゃんのやるせない気持ちやフラストレーションが地味に伝わってくる。だから、終盤突然走り出す場面のカタルシス感がすごくいい…

監督曰く、監督個人の経験や感情をかなり劇中に反映されているとのこと。珍奇だったり脈略がないように見える物事は、実はそのまんま子供の目から見える世界なんじゃないかなあとも思った。

機関車が走り出すときに必ずと言っていいほど音楽が流れてたけど、そのワクワク感だったり多幸感だったり仄かな期待だったり、そうした感覚がどこかほろ切なく捉えられていて、好き。
歩く肉

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