ヤンデル

タイタニックのヤンデルのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
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・冒頭とラストの海に沈むタイタニック号は本物の映像で、ジェームズ・キャメロンはこれを撮影するために深海の水圧に耐えるカメラを新たに開発させたほどだった。

・また、タイタニック号の沈み方については模型で実験するなどして検証した。

・ローズの初登場時、タイタニックのことを「モレタニア号と同じじゃない」と揶揄するが、モレタニア号も実際にあった当時最速と言われた船で、タイタニック号はモレタニア号のデザインを真似るためにダミーの煙筒を追加したというエピソードもある。

・ジャックがローズのヌードを描くシーンは若いころのキャメロン自身のエピソードを元にしているが、劇中に出るスケッチも実際にはキャメロンが描いたもの。

・タイタニックが沈んだ原因としては、船を覆う鉄板のリベットが寒い地域では弱くなることが当時知られておらず、氷山に当たっただけで剥がれて水が入ってしまった。当たった部分は火事になっていたボイラー室で、隔壁が動作しなかった。乗客も客室の窓を開けていた人も多く、水が入るのが加速した。そのため、前方の方から水が入って沈んでいき、極端に傾いて船が折れてしまった。これによりたった数時間で沈んだと言われている。

・映画の中で救命ボートが人数分ない!というくだりがあるが、通常この規模の船は沈没に3日程度かかると考えられていたので、一般的には問題ない水準だった。そこは映画を盛り上げるための嘘も含まれているが、実際のところ上記のような沈み方をしたので、想定外の事故で短時間に沈んでしまった。

・ジャックは「宝石を持って恋人を待ち続ける老婆」の絵を見せたり(ローズがブルーダイヤを捨てる伏線になっている)、女性が馬にまたがる話をする。ローズはジャックの死後、もういない恋人を待つ存在ではなく、当時の女性としてはいろいろなことに挑戦し、馬にまたがる写真を最後に写す。つまり、単純に3日間で終わる恋の話ではなく、ジャックがローズの人生を変えていることが物語の本質になっている。

・キャメロンは撮影にあたりタイタニックの巨大な模型を製作させてテスト撮影を行ったが、これはプレビズ撮影として日本に持ち込まれ、「シン・エヴァンゲリオン」で画角をテストするために用いられた。

・映画とは無関係だが、タイタニック号に唯一乗っていた日本人は細野正文という人物で、YMOの細野晴臣の祖父にあたる。
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