Jun潤

ペナルティループのJun潤のレビュー・感想・評価

ペナルティループ(2024年製作の映画)
3.6
2024.03.31

若葉竜也主演作品。
必殺・ライブ遠征中に映画館in札幌。
タイムリープものと共に時間系SFの王道の一つ(と個人的に思っている)タイムループもの。
今作はサスペンスとのことで、どう物語と絡んでくるのか、期待して鑑賞です。

岩森淳は、一緒に暮らしていた恋人の砂原唯を突然喪った。
そして迎えた6月6日、淳は作業着に身を包み、とある工場に向かう。
そこに現れた一人の男・溝口登、彼こそ、唯の命を奪った人物だった。
淳は周到に罠を張り、毒を仕込み、車の中で彼を刺殺し、死体を海に投げ捨てる。
これで全てが終わったはずだった、しかし、目を覚ますと再び6月6日を迎えており、殺したはずの登も再び工場に現れた。
時間がループしている、一体なぜ、そしてなぜ登は唯を殺したのか。
ループの果てに、衝撃の事実が待っているー。

ふーんなるほどなぁ。
ポスターに「同意する」「同意しない」という文言があった時点で、了承済みのループであり、淳がここまでの殺意を表すということはもしかして遺族の復讐とかそういう系かと思いましたが、個人的な想像の倍ぐらいエグくて、ちょっと拍子抜けするぐらいハートフルに着地した作品でした。

最近邦画で作られたタイムループものにおよそ共通しているのが、「どうやってループから抜け出すか」よりも「ループの中でどう生きるか」を描いているということ。
今作では、殺す側であるはずの淳と殺される側であるはずの登の間にできる奇妙な友情が描かれていました。
時間がループしているという特殊すぎる状況でしか成立しないであろう人間関係が特に印象的でした。

唯についても、淳がループして何度でも登を殺そうと思うほど強く愛していても、彼女の中に淳は生きていなかった、そして、そのことを淳に教えたのがループの中で心を通わせた登だった。
2人を喪ったループの果てでも淳は大丈夫なのか、それに対する答えがラストのセリフだったんだと思います。
Jun潤

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