Jun潤

四月になれば彼女はのJun潤のレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.0
2024.03.27

佐藤健×長澤まさみ×森七菜。
脚本と原作に川村元気、かぁ……。
この方が企画・プロデュース以外の形で関わった実写作品は、ジャンルが全然違っていたりもしますが、なんか似通ってるというか、話題を集めそうなキャスティングとタイアップで、それっぽい場面を集めた予告を流して、それっぽいプロモーションをして、みたいなテンプレの範囲から全然はみ出てないというか。
それで面白ければ文句はないのですが、プロデュース作品以外ではまだ当たりを引いていないのが唯一の懸念。

藤代俊と坂本弥生は、結婚を目前に控えていた。
しかしある日、弥生は藤代の元から姿を消す。
弥生を見つけることができない藤代は、10年ぶりに手紙を送ってきた昔の恋人、春のことを追想する。

ん〜〜、なんか似たような映画からそれっぽい場面をそれっぽく繋ぎ合わせた結果チグハグになって変な感じのよくわからないところに着地しちゃった変な作品。
『世界の中心で愛を叫ぶ』と『花束みたいな恋をした』と『カノジョは嘘を愛しすぎてる』に『恋は続くよどこまでも』とか『この恋あたためますか』とかを混ぜたらこんな感じになっちゃったのかな??
川村元気はあれか、岩井俊二にでもなりたいのか。
でも今作は坂元裕二っぽいセリフ回しを意識してたようにも感じだけど全然足元にも及んでいなかった気もする。

監督・脚本の山田智和にとっては長編デビュー作で、共同脚本の木戸雄一郎はアニメ畑の人なこともあってか、原作と脚本が直結していたような印象が強め。
モノローグというよりは小説の地の文をそのまま朗読していたような感じだし、俳優陣もキャラクターを演じているというよりも、台本や脚本ではなく小説の「」内をそのまま読んでいるような感じがして、感情が乗ってないまではいかなくても、小説読んでるのと同じ感じはしました。

今作は結局何が言いたかったんだろうか。
『四月になれば彼女は』、なに?
春も弥生も、大学生や結婚を意識した年齢の女性の中で言えば、あるあるな価値観というよりもどちらかと言えばヤバめ。
共感を呼ぶような普遍的な姿ではなかったと思います。
父親の執着から逃れられなかった春はまだしも、愛されることに怯えて愛することをサボるなんて、結婚を控えている、なんなら一度直前に破談したことがある弥生なんて年相応の考え方には見えないって。
今流行りの蛙化現象ってやつか!本来の方の!
これで藤代にも何かしらの問題があれば、仲野太賀が演じていた友人の言葉も刺さっていたんでしょうけど、結局藤代には何も問題が無い、強いて言えばダメ女ホイホイみたいな感じなだけだから、友人に的外れなことを言われて無駄に傷付いちゃっただけじゃん。

こういう作品を綺麗に着地させるためには、病気という要素は欠かせないのかもしれないけど、あの流れの中には必要でしたかね??
Jun潤

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