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四月になれば彼女はのpokotanのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.5
冒頭からウユニ塩湖の景色の美しさにうっとり。
プラハ、アイスランドと海外の風景ももちろんのこと、カメラの構図や綺麗な絵だった。
朝日を見に行く時の、フジと春が身の上話しながら歩くところもワンカットで撮っていて、良かった。
そして、後ろ姿のショットが多い。
最後も藤代俊と弥生の後ろ姿。
結局愛が目に見えないように、2人の表情も見えないように映しているということなのかな。
藤井風の「満ちていく」も素晴らしく、とてもとても美しく詩的な映画だった。

キャストは雰囲気の美しさに合っていて、キャスティングは見事。
太賀くん、中島歩が良かった。

ただ、キャラクターの心情で色々と腑に落ちず、理解出来なかった。
まず、弥生。
結婚式の式場の下見までしてたのに、急に唐突にいなくなるのがよく分からない。
グラスを落とした時の俊の対応がトリガーになったんだろうけど、あの対応の何が悪かったのかも分からない。
元カノの手紙を読んで、最近2人の間はセックスレスでもあり、すれ違いでコミュニケーションがどこか取れなくなり、愛を確認することを怠ったことで、藤代俊の元を去るわけだけども、そんな状態で何で結婚しようとした?
しかも、獣医の仕事を休職してまで、春のいる介護施設にしれーっと働くのかが分からない。
「なくしたものを取り戻すために春ちゃんに会いに来た。」
って言ってたけど、愛を知っても、結局逃げといてどうなるの?

「愛を終わらせない方法は手に入れないことだよ。」
と語る弥生は以前結婚式前にドタキャンして逃げた過去を持つ。
今回も逃げたわけで、結局精神的に弱いし、愛を確認することを怠ったのも、自分が原因でもあるでしょ。
最後2人が他愛もない会話をしてなくしたコミュニケーションを取って終わったけど、これからの2人が上手くいくのか疑問。

俊も、妹から突っ込まれてたけど、何で結婚までしようとしてる女性が行方不明になって、必死に探さないのか。
精神科医の患者に「自分のことが1番分からないものです。」って言ってたけど、皮肉めいてる。
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