あんきち

世界のはしっこ、ちいさな教室のあんきちのレビュー・感想・評価

3.8
前回の「世界の果ての通学路」の制作チームが、新たなドキュメンタリーを教師の視点から描いた今作。
ブルキナファソ、バングラデシュ、ロシアのシベリアのそれぞれのへき地で奮闘する教師の姿が描かれている。
世界にはまだまだ色々な教育制度があり、普通に学ぶ事ができる私たちは、なんて恵まれているのだろうと思う。
そして、この映画の中では、女性の進学問題や、多言語をまとめて教える難しさ、また放牧を生業とするため、移動しながら生きていく民族についての姿も映し出される。

子ども達のために、自分の子を親に預けて6年間教えるサンドリーヌ、そりで移動して部族の誇りを教えるスヴェトラーナ、船で移動し、女性でも自立した道を薦めるタスリマ。
この3人に共通しているのは、学びを通して子ども達に自信を持たせ、その後進む道筋を照らしていくことだ。

教育は、生徒、教師、そして周囲の理解、援助や環境が整っていないと成り立たない。このうちどれかひとつでも欠けると、たちまちに綻びが出てきてしまう。
前作では、子ども達の学びたいと言う強い気持ち、今作では、信念を持って学びの場に立ち続ける教師の姿が印象的であった。

人は置かれた立場によって、悩みもそれぞれ違っているが、どの子どもたちにも学ぶことが楽しいことで、一歩一歩前に進んでいける道がこれからも開けて行って欲しいと切に願う。
あんきち

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