岡田秀親

瞳をとじての岡田秀親のネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2024/2/14

TOHOシネマズなんばで10時50分の回からビクトル・エリセ『瞳をとじて』を観た。
失踪した俳優を探す映画監督の話。
やがて彼は見つかり、記憶喪失となった彼の記憶を思い出させるために、彼が出演した映画を関係者たちで観る。

結末は明かされないのだが、失踪した俳優が出演した映画を観ていくうちに気づかされた。
人は現実の中で生きているが、映画の中で生きた人もいる。
そして、残された映画で、そこに生きていた人を観ることができるということは尊いことで、そのことに改めて気づいて最後には感動した。

不満もある。
一つは、失踪した俳優が見つかるまでが長い。
全体の半分くらい経過してからだろうか。
見つかるまでは少し退屈に感じた。
ミステリー仕立てにしているから、次への展開をできるだけ早く観たがっている自分がいた。

もう一つは、印象に残る風景が少ないこと。
会話では切り返しのショットで、人ばかり映している場面が多かった。
人がいるその風景も含めて印象に残ったものは少ない。
それでも、人がいなくなったベンチを映した風景は良いと思った。
観客は40人くらい。