んぎ

ファースト・カウのんぎのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
-
本編のほとんどが雄大な自然をバックにした野外撮影であるにもかかわらず、印象に残るのは窓や戸口によって重層的にフレーミングされた"空間”で、スタンダードサイズによる画角の窮屈さもともなってか、それはやたら切実に映る。そして最後は牛までが柵で囲われてしまう可笑しさ。最新作の『ショーイング・アップ』とは現代劇/西部劇のちがいこそあれ、ある種のディアスポラを捉えた物語としては軌を一にするように思う。それはケリー・ライカートという寡作な映画作家がそのキャリアを通じて撮り続けてきた永遠のテーマでもあると言っていい。
んぎ

んぎ