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瞳をとじての440のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
5.0
満を持してエリセの新作鑑賞してきました。

全てが素晴らしすぎて言葉を失うレベル。
完璧。
この世界にずっと浸っていたくて、劇場から出たくなかった。

最近立て続けに作品を観たエリセ初心者ですが、これは彼自身の想いや言いたい事を全て盛り込んだ集大成なんでしょうね。
間違いなく俺の映画人生の中でも印象に残る1本になりました。

映画撮影中に行方不明となった主演俳優のフリオ。
未完となってしまったその作品の監督でありフリオの親友だったミゲルは、22年前の失踪事件の証言者としてテレビ番組に出演する。
それをきっかけに疎遠となっていた人との再会や新たな真実の扉が開いていく。

どのエピソードも好きすぎて、3時間ひたすら好物を食い続けたような気分。
人生の最期にはこの作品を観て死にたいとすら感じてしまった。

エリセブームの真っ只中で鑑賞したから自分の感情に盛りすぎてる部分もあると思うけど、観終わった後すぐもう一度観たくなりました。

あとエリセの経歴や「ミツバチのささやき」と「エル・スール」を鑑賞してから観て良かった。
この2本を想起させるシーンが沢山あったし、監督の経験がめちゃくちゃ入ったストーリーなんだろうな。

風景や建物も素晴らしいし、画角のアーティスティックな撮り方や映り込む物が伝えるメッセージとか匂わせ方も鳥肌もん。
人間ドラマは大好きなアルモドバル感もあって俺はこの2人のスペイン監督が大好きです。

最初と最後が繋がる失禁ものの演出とエンドロール直前の問いかけで完全に俺は石化した。
なんてすごい作品なんだよ。

言いたい事は沢山あるけど俺の拙い文章で表現するのは申し訳ないのでこの辺で。
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