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π〈パイ〉 デジタルリマスターの440のレビュー・感想・評価

5.0
若かりし頃
シネマライズのレイトで鑑賞した時の衝撃。
パンフが欲しかったのに当時は販売してなくて「オールアバウトπ」という本を買った。

上映前に列に並んだ景色。
観終わり放心状態のままトボトボ歩いて向かった渋谷駅。
今でもあの時の空気を鮮明に思い出せるくらい心に残る映画体験だった。

25年の時を経て、斜め前のシネクイントで念願のパンフをゲットした。
俺の中では間違いなくダーレン・アロノフスキー監督の中でも1番大好きなこの作品をまた映画館で観られるなんて夢のようでした。

エレクトリカ
テンポ
216
数列
周期
螺旋
パターン

偶然が必然に感じる瞬間。
1つの数字が脳にインプットされ侵されていく。

数字によって全て置き換えられ理解する事ができると思っていたのに、身近に迫る理解不能な現象。
数字に侵食されていく体。
次作「レクイエム・フォー・ドリーム」へ繋がる「破滅に向かう人間」の描写はこの時から既に完成されてる。

改めて鑑賞しても初見の頃の興奮を思い出した。
この映画体験は唯一無二だし圧倒的なパワーを誇る名作スリラーです。
追い詰められる最後の終わり方も大好き。

オービタルやオウテカなど無機質で心拍数が上がるような音楽が抜群にハマってて最高。
エイフェックス・ツインとかサントラも良いんだよなぁ。
大家さん役はダーレン監督のお母さんらしい。

やっぱり息抜きは必要だよね。
この世界観は唯一無二。
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