ピポサル

ほつれるのピポサルのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
4.2
もう関係が破綻しているとしか思えない夫婦のすべてのシーンに居心地の悪さを感じる。一時、プレゼントを交換しあうところは緩和があったもののすぐにまた現実に引き戻される残酷さ。不穏に対してストイックが過ぎる。
登場人物の余計な深掘りはせず、すべてが他者との関わりに集約されていて清々しい。理詰めっぽい夫役の田村健太郎すごい。自分なりに夫婦関係の修復をしようとしているのはわかるけどもう難しいだろうなと観客は思っているわけで。あーこういう人いるなというリアリティがめちゃくちゃあった。
そして門脇麦は『あのこは貴族』でも感じたけど豊かな生活を送るアラサー女性がめちゃくちゃしっくりくる。いい服にいい車。あの旅館にひとりでいるギャップ。佇まいがとてもよかった。
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