ともきゃっと

哀れなるものたちのともきゃっとのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
2023.1.23 1回目
すばらしい。
特異な設定とエマストーンの怪演が織り成す、性愛と哲学のロードムービー。

性の欲求と己の成り立ち、他者や社会との関わり方を求める様はまさに哲学であり、ベラの設定によって短時間かつ一連の出来事としてまとめられている。

終始流れる不協和音やリズムの悪い音楽は、ベラの心と体、己と社会との不一致を絶妙に表現していてむしろ協和音となっているように感じられ、
美しい色彩や構図は彼女の純粋で多感な心を映し出しているようだった。

性から社会性まで含めた人の成長をこれほどまでにテンポよく美しく、そしてブラックコメディーを交えている完成度に脱帽。映画史に刻まれるべき傑作だと思いました。

2024.2.3 2回目
今度は展開の予想や身構える必要がないのでセットや衣装といった物へ集中したけれども、本当に全てが素晴らしい。かわいらしい洋服やどこか異世界な世界観、配色や配置の美しさ等が本当に洗練されていて絵画のような画。