るみ

哀れなるものたちのるみのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
なぜか分からないけどずっとずっと楽しみにしていた映画。
エマストーン、ウィレムデフォーということでキャストから間違いないことを確信していたからかもしれない。
エマストーン、本当にすごかった。
ビジュアルの美しさ、衣装のかわいさはもちろんのこと。
あそこまで演じ切るのはどれほどのことなのか。
性的なシーンがとても多いけれど、とりあえず入れ込んでいるような印象がなくて不快感が少ない。
内臓や脳が見えるシーンも多いけれど、話の流れとして必要性を感じるのでこれもまた不快感が少ない。

赤ちゃんだった状態から本能的な欲求を知り、世界を知り、美しい部分もそうでない部分も自身の血肉とし、1人の女性として意思を持って生きていく姿がとても印象的だった。
具体的な言葉でどう表現したら良いのか分からないけど…
世界の恐ろしい部分も目を背けず、自らの醜い感情にも蓋をせず、全てに真っ正面から向き合う姿は眩しくて、また居心地の悪さを感じた。

自分の目では見られないこと、自分の人生では感じられないこと、それを体感させてくれる映画だからこそ知ることができたこと。
映画というものの醍醐味を教えてくれる作品であり、自らの愚かさを見つめ直す機会になる作品。

すごい作品だった。
すごい経験だった。
気軽に人に勧められるものではないけれど、それぞれ必要なタイミングに出会ってほしい作品。
るみ

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