るみ

オッペンハイマーのるみのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
この映画は音が素晴らしいからIMAXで観ると良い、という信頼できるレビューを見聞きして張り切って池袋グランドシネマのIMAXで鑑賞。
結果、観るというより体験する、が出来た映画でした。
音の迫力はもちろんのこと、不安や緊張
加速させる音楽も凄かった。

ストーリーは監督の個性が出る構成で、登場人物が多くて、少しだけ予習したけど時折何の話してるのか分からなくなったり、ついて行けなくなったりした。笑
原爆を作るまで、作った後の心情にフォーカスするというよりは、原爆とオッペンハイマーを取り巻く人間模様を切り取った一部分のように感じた。
いわゆる会話劇で、心情が語られるというよりは各々の目的を果たすための探り合いの言葉がラリーされているシーンが淡々と続く。

それでもやっぱりトリニティ実験のシーンはこわい、と思った。
あれほどの威力のものが日常生活を突然襲ったなんて、本当に恐ろしい。
でも、落とされたのが日本ではなく自分が関わりのない全く知らない国だったら、「すごい映画だった!」と絶賛してしまっていたかもしれない。
そういう自分に気が付かされたことが、この映画を観た1番の産物だった気がする。
自分の身の回りのあらゆる問題は、やはりどこか現実味がなくて他人事として捉えてしまう。
それが悪だとも言い切れないけれど、重要な出来事に当事者意識を持つということは頭に置いておきたい、と思う。
るみ

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