DORATARO

哀れなるものたちのDORATAROのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.4
おとぎ話とSF小説のコラージュ。美人フランケンシュタインことベラの大いなる冒険と自己の目覚め。
まず主人公ベラを演じたエマ・ストーンはもの凄く複雑なこの役を大胆かつ魅力全開にやってのけた。幼児期の頃とかうちの2歳の子どもの所作そっくり。思春期に入ると自由奔放に性を楽しみ、次第に人間の愚かさや世界の現実を知り、苦悩しながらも自己の使命を見出していく。このベラの好奇心と主体性に溢れた生き方にものすごく感動した。R18な点で言えばかなり面喰らいましたけどあまりにそんなシーンが多いので後半はマヒしていましたよ。予告じゃ全然見えてないもんね。しかしヨルゴス・ランティモス監督っぽいアンニュイな雰囲気や緊張感漂う音楽びんびんですべて芸術的に映(ば)えてます。スチームパンクな街やモノの造形もやべい。助演ではベラを誘い出す放蕩男ダンカン(マーク・ラファロ)の落ちぶれっぷりが見事でした。ベラに捨てられてからはもう、ね。男って哀れ。

2年ぶりくらいに映画館行きましたけど映画館最高でした。外に出た後の少し世界が違って見えるあの感じ懐かしかった。
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