bebemama

哀れなるものたちのbebemamaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
出かけたタイミングでタイミング良く
先行上映で鑑賞

ぶっ飛んだ怪作!
ヨルゴス・ランティモス監督作
大人のファンタジー
クセが強い!
でも、面白かった!
最近過去作「籠の中の乙女」「聖なる鹿殺し」と続けて観たけど
前作の「女王陛下のお気に入り」から分かりやすい作風になった?

天才外科医のゴドウィンは、死んだ母親の脳に彼女の胎児の脳を移植
見た目は大人、中身は赤ん坊のベラが誕生
無垢な赤ちゃんが段々と学んで進化
途中から弁護士ダンカンによって世界へ旅立つ

人生を圧縮
初めは、よく言えば既成の価値観に縛られない
状況を考えない子供の発言が
ハラハラするやら
気持ち良いやら

ほとんど前情報なしで観たので、初めはアンドロイドなのかと
博士の容貌がフランケンシュタインのモンスターの様、というかフランケンシュタインのモンスターの話ですよね
でも、フランケンシュタインと違って彼はベラを愛した

彼は父親によって支配されていたので
ベラを愛しながらも支配する事なく
外の世界へと行かせたのかな?

R18+だったんですね
ほとんど全編エマ・ストーンが喘いでる!又は
解剖してる
ここまでセックスシーン入れなくてもって思うんだけど、これはやはり監督のこだわり?
(そんなに色っぽい感じではないけど)

自分が気持ち良くなればいい!
と、愛がなくても、相手がいなくても、同性でも
と、女性の性の解放?
そして、セックスを伴わない生命は
母性からの解放?
博士の家庭も母性はない

女性の価値観
女性の地位とか縛りとか
もう全然乗り越えてる

ビクトリア朝時代ぽいけど
現実世界とは違うファンタジー
最初のモノクロから色彩鮮やかになり
建物、船もお伽話の世界の感じ
空の色なんて怖いくらいの美しさ
衣装も斬新
目に楽しい
でも、内容はとても、とても現実的

劇伴はお得意の不協和音がずっとずっと
魚眼レンズ、覗き穴っぽい昔の写真の様な雰囲気と色々面白い
全てが歪

エマ・ストーンがそこまでやるかの熱演
あの無垢な赤ん坊から成熟した女性への変化は見事
ウィレム・デフォーが単なくマッドサイエンティストではなく、自分も辛い境遇なのに父性愛も感じられ、あんな容貌なのに複雑な性格が感じられ良かった
マーク・ラファロも今までのイメージにないプレイボーイ、そして情けないゲスいだけどどこか憎めない男を怪演

エンドロールもデザイン重視で見難いよ〜〜!

ただ一つ、合体させた動物はちょっと、、、いくら何でも悪趣味!
とは言え、この監督はこんな感じかな!

ネタバレ?












外に連れ出した弁護士のダンカンは、結局ベラを縛る
外に出さない為の船だったのに
そこで出会った老婦人との出会いがベラをますます進化させるとは!

性の目覚めの、あの寸前のモノクの画面のザラつき感が目を惹いて、かなり凝視してしまった
bebemama

bebemama