よーすけカサブランカス

哀れなるものたちのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.7
大人の身体に入れられてしまったばっかりに、その子は大人の(男の)嫌な面を急速に学んでゆく。確かに見ていくと男の哀れさが際立ってきて、フェミニズム的な文脈を見て取れるしそういう話ではあるんだろうと思う。だが僕は何となく、見てて「エクス・マキナ」を思い出し、これは創造主と創造物という軸で見た方がおもしろいのでは、という気がした。人として作られた彼女は人の世界を歩いてみたくなり旅に出るが、決して世界は良いものとはいえず、身体の自由と経済を知る。つまり女は男の所有物以前のものとして扱われていたという話になるが、最後は彼女が男を作り替え、創造主となる。