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哀れなるものたちのyksijokiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
ウェス・アンダーソンが撮ったアダルトビデオみたいなテイスト。

ヨルゴス・ランティモスにしては分かりやすい脚本と、カラフルな映像。不協和音や弦楽器の音とフレーズが繰り返される劇伴、徐々に寄りになるカメラワークや魚眼レンズのようなカットなど監督らしさを残しながらファンタジーテイストだけどヒューマンドラマの要素を残していてちゃんとエンタメ作品だった。

色の使い方がめちゃくちゃよかった。青、緑、モノクロ、彼女自身が経験を積むこもによって色味がどんどん出てくるのもすごく良かった。各章のアバンタイトルもめちゃお洒落でかっこよかったし、エンドロールも素敵だった。

もっと変だしニッチなとこばっかりで意味わからなくて終わるのを期待していただけに思ってたより分かりやすくてちゃんとしててそこは若干惜しかった。

コナンの逆状態、スポンジのような状態からいきなり外部と交流し、性行為による快楽にハマってしまう展開はかなり刺激的だった。終盤の展開が非常に面白かった。女性の生き方、登場する男性たちのエゴと欺瞞にあふれた行動たち。社会の構造や哲学、思想もテーマにおきつつ、コアは個人の身体性にあって一貫しているなぁという感じ。


キャスト★4.2
ストーリー★3.7
プロット★3.7
バイブス★3.7
演出★4.1
音楽★4.2
映像★4.0
全体★3.9
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