TakuyaKoroku

哀れなるものたちのTakuyaKorokuのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
事前情報一切入れずに行ったが、始まりからショッキングで気づいたら終わってた。

僕たちが見て知っている世界を、ベラ(エマ・ストーン)がその曇りなきまなこで知っていき、彼女の思うがままに行動する姿が凛としていて美しく、ずっと観ていたいと思えるくらい見惚れてしまった。

ベラが放った2つの印象的な言葉があって、一つは旅を終えて自身の体に施されたことを知り、ゴッドに放った「モンスター」という言葉。映画タイトルとこの言葉の相関がきっとあって、そのことをずっと考えてる。

そしてもう一つ、ベラがマックスに伝えた「あなたとの現実的な愛が好き」という言葉が好き。シンプルに好きな会話だった。

大人の体で赤ちゃんの脳を持つベラが冒険に出て、野生を知り、理性を知り、知性を得、現実を知る過程で、僕たちも世界の捉え方を見直すきっかけとなった。ものすごく残酷で美しい2時間半だった。

観終えた後にWikipediaにたどり着き、「シュール的なSFラブコメ映画」という説明文を読んで、この映画から何を学んだんやと不覚にも笑ってしまった。
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