このレビューはネタバレを含みます
エンディングがすべてを物語っている映画。ラストシーンだけで評価が逆転しました。パストライブス、好きだ。
うだつの上がらない男が最後までうだつの上がらない行動をとった結果、女性側に永遠に消すことのできない爪痕を残した。意外と新しい視点だと思う。
あと、ラストシーンの撮影に関して女優のグレタ・リーがインタビューで話していたのを読んで、なぜあのシーンが感情を揺さぶるのかがなんとなくわかった気がする。
以下引用(グレタ・リー)
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あのシーンは1テイクで撮影しました。
あの瞬間は、本当に数え切れないくらいの感情が渦巻いていて、様々なことが起きていました。
あのシーンだけでも1本の映画になるくらい。
脚本では”2分”と書かれていたのですが、実際は45秒。
でも監督はあのシーンを、
“耐えられないくらい長くて、でも同時にものすごく短く感じるように描きたい”
と言っていました。
撮影の時は、
カメラの位置・どのタイミングで、お互いが向き合うのかは分かっていましたが、
それ以外のこと、タクシーがいつ来るのかすら知らされていませんでした。
でもセリーヌはこのシーンで、
抑制を重ねることと感情の軌跡で、何かが起きると分かっていたんです。
本当にうまく撮影できて誇りに思っています。