ゴシック調の舞台に時々はさまれるスプラッターなシーン、映画として見ごたえのある世界観だった。身体は大人で心は赤ちゃんの女性が、自由を求めて護られていた館を飛び出せば、性で稼ぐしかないんだな。そのへんが予想通りでちょっとつまんない。このお話、ベラという存在に照射される男性たちのお話だと思う。男性が造っている残酷でつまんない世界を揺さぶるのに風変わりな女性を使うというのには、ユニークさはないかな。
ウォルム・デュフォーは、最近面白い役に恵まれていきいき演じてる。
私が面白かったのは、普通の家事だけでなく、死体解剖の助手までクールにこなすメイドさんと、全身入れ墨で時々ヒロインに噛みつく娼館の女主人かな。そんな脇役の妙はあったと思う。