くみん

哀れなるものたちのくみんのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

グロい描写などは置いといて、始めから終わりまで細部にわたって作り込まれたすべての場面が美しくて衣装も最高だった、モノクロから始まりラストには彩りに囲まれる、大好きな世界観。ベラの眼に飛び込んできた景色、彼女が受けた衝撃を共に体験しているかのよう。無防備な下半身、鎧のようでいてふわっとしたどでかいパフスリーブ。ありえない動物たち、かわいいって思っていいのかなって思いながら。別人格の人間が別の肉体の中で生きているということだけど、肉体そのものにも記憶は残っているのでは、脳だけで司られているわけではないのか人の人生は。予備知識なしで観にでかけて度肝抜かれたけどあの監督だったんだなー。

無垢でしかも凶暴であった女性が本能の赴くままに自らの手で知と自由を勝ち取り人生を切り拓いていく逞しさが最高だしどこか痛快。そして旅で出会う女たちの賢くていさぎよいことよ。男社会を生きる今の女たちへのエールとも思えた。食卓のシーンも多かった、食べることは生きることだよね。そして我ら女には本が必要。牡蠣&シャンパーニュ、エッグタルト、リスボンの街が素敵。

木曜日朝8時台の回、248席に観客10人ほど、没頭した。さてさてこの映画の解説を探して読むとしよう。
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