脱皮の殻

哀れなるものたちの脱皮の殻のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
天才外科医バクスターにより稀有な存在として生まれたベラが世界を知るために冒険に出るお話。

世界を知りたいという好奇心で世界を駆け回るベラの成長を描いたヒューマンドラマ。

冒頭の奇妙な世界観にキワモノ覚悟で観ていたが、ベラの成長と共に心の内側から湧いてくる温かさがなんとも心地よい。
この感情が母性なのか父性なのか、よくはわからんけど、好奇心でひた走り、世界を見て成長していくベラに感動した。

ベラの好奇心に忠実で非常に合理的な所がとても魅力的だった。天才外科医バクスターの教育を受けてることもあってか、サイエンティストに近い考え方を持ってそうな感じだった。

ベラの成長と共に変容するバクスターとベラ、マックスとベラの関わりも良かった。

エマ・ストーンのあまりにも体当たりすぎる演技がすごいし、成長していく過程の演じ分けが上手すぎる。

マーク・ラファロ演じる色男ダンカンの墜落っぷりが面白おかし過ぎて、後半からは出てくる度に笑った(笑)

難しいところもややあったけど、堅苦し過ぎなくて観やすい。

世界観がすごく不思議で、(全くもって個人的な見解で見当違いなのかもだけれども)ウェス・アンダーソンやテリー・ギリアムを感じた。

カメラワークも独特だけど、「聖なる鹿殺し」を作った監督の作品と知って、ああっ!と思いあたる節があった。
「聖なる鹿殺し」の病院でのカメラワークが非常に良かったので。

摩訶不思議でおかしくてあったかいキワモノを被った良作。

アカデミー賞作品賞と主演女優賞取って欲しいな~

長々とすみません。
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