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哀れなるものたちのidtakoikaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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自由にもいろいろあるが、大きく2つの方向性で獲得することができると思う。1つ目は自分の気持ちに素直になること。世間の「良識」など、よほど他人に迷惑をかけない範囲であれば無視すればいい。エッグタルトをたくさん食べていいし、周りに合わせず好きに踊ればいいし、お野菜をいれてもいい。

もう1つは、自分にはまだ無い考えや考え方を知り、世界を見る眼やその角度にバリエーションを持たせること。この方向性での自由には、他者の存在が大きな助けになる。本を投げられても動揺せずすぐ次の本をくれるあの人は相当に自由で、憧れる。

自由を獲得しようと思えるくらい、ベラが世界に絶望せずに済んだのは、「家」の中で愛を受けて育ったことも一因としてあるだろう。そうだとした時に、尊厳の無い扱いの連鎖を止めたあの人物が一番の功労者だと思う。
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