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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園のidtakoikaのレビュー・感想・評価

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久々の劇場版、面白かった〜
子ども的にも、ミステリアスな雰囲気とか吸血鬼要素とか、ほどよい緊張感があって楽しそう。

真面目要素としては教育×市場原理的なテーマが一貫していて、もちろん大袈裟なところはあれど、観点としての解像度はかなり高かったように思う。スコアという物差しを生徒が内面化し、これが自分の価値そのものだと勘違いして(そして誇って/苦しんで)いるさま。本当に高い人はあまりスコアに捉われていない感じも含め、こんなものだよなと思った。それに「アートが教育にも重要」みたいなのとかも。

ただし、最終的な落とし所が結局、「エリート」側の教育のトレンドと重なっていることには留意したい。「エリート」にまつわる批評性を持たせるのであれば、「エリート教育がどういうものであるべきか」よりも「なぜ質の高い教育が万人にアクセスできるものではないのか」という方向性であってほしいなと思うが、それをしんちゃんの映画に期待するのは、いろいろはき違えているとも思う。

00年代後半以降のしんちゃんの映画をあまり観てこなかったこともあり、よく言われる「しんちゃんもコンプラであれもこれもできなくなっている」的な観点でも観てみた。確かに「げんこつ」は無くなっていたが、まああれが無くてもしんちゃんらしさはじゅうぶん成立する。お尻を出せないことについても、形や動きの表現が工夫されていて、これはこれでとても面白かった。

あとはこの作品に限ったことではないかもしれないが、みさえやひろしのセリフがクサすぎて乗れなかった。親目線だとこれくらいがちょうどいいのだろうか。

笑ったところメモ
・番長の名前
・マサオくん
・ウォシュレット
・誠に遺憾
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