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哀れなるものたちのharuのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
世界観や衣装デザインがすごく好み!
食事中謎のシャボン玉を吐き出すゴッドに、庭を闊歩するキメラたち。不安をあおる不協和音に、色のない世界。

へんてこな世界観に、アンティークのような、それでいて現代的なディテールをもつ衣装がこの映画全体のテーマ性を表しているようだった。特にベラのウェディングドレスがお気に入り!

エマストーンすごかったなぁ。
熱烈ジャンプのシーンがかなり多かったんだけど、全然エロくない。動物の交尾を見せられてる感じ。それも、ベラが本能のままに生きてるのを表しているようですごい演出だと思った。

映画がはじまってすぐは、哀れなるものってベラのことかと思った。死んだ後に身体を好きにされて、脳みそ取り替えられて、自由を奪われた女性。

でもベラが人生の喜び、苦しみ、世の中について知ってどんどん成長していくにつれ、取り残されていく周りの人たちのほうが哀れなるものたちに見えてきて…。

それって、社会規範に縛られて窮屈に生きる、今映画を観ている私たちのことなのでは?とハッとした。

EDの余韻まで素晴らしい映画。
パンフレットも読みごたえがあってよかった。

原作を読んだ後、もう一度観たい。
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