相変わらず変な作品を作る監督だなと改めて思う。そこがロブスターを初めて見た時から惹かれつつづけるところではあるのだけれど。しかしながら描かれる内容は今の時代ならではの内容であり、女性の選択に関する作品であった。
ある女性の自我の芽生え。女性が男性の所有物として扱われる監禁のような状態から、男性によるあらゆる搾取からの自由を知る。男達は様々な手段でベラを自分のものにしようとする。それは彼女が無知であるからだ。本を取り、世界を実際に知る事で彼女は選択をしていく。
世の中のことを知り、あらゆる人間の愚かなことを知っていく。その先に、自分自身の体をどのように扱うのか、自らが決めていくのだ。
自らの選択を、自由な意思を、誰かがいるから幸福になるのではなく、自分自身が何をしたいのかを獲得していく物語である。様々な体験、冒険の果てに自分を作り出していく。ただそのラストは一筋縄ではいかず、皮肉たっぷりではあるのだが。あなたはあなたのもの、そんなことを思った。
