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哀れなるものたちのIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ヨルゴス・ランティモス最新作!
相変わらず攻めてるというか、オリジナリティの塊みたいな作風で好きです。

ベラの出生の秘密はかなーりグロかったのですが、無知で無垢なる者(生まれたての人間)が社会性や複雑性を獲得していく様を描いた思考実験として、中々面白かったです。

食欲や性欲といった原初的な欲求から始まるのはリアルだし、避けられない描写だったと思いますが、そこを見事に演じ切ったエマストーンには賞賛を送りたい。アカデミーも納得ですね!

テーマも素晴らしかったな〜!
マークラファロが振り回されるパートは痛快だし、超絶束縛夫はエグすぎたし、男性の指示に従う「人形」ではなく、自由意志を持った気高き人間、女性としてのベラは本当に格好良かったですね!

世界の醜さを知り、他人に利用されて身体を売り、ラストに至るまでの過程は平坦なものではなかったけれど。でも、最後に残ったベラの魂のようなものは、確かに美しかった!人間は向上できる、そんな気持ちになれました。

というか、普通に全編面白い!声出して笑いたくなるシーンも多かったです。ここが、単純だけどすごい事だと思います。
シュールで不可思議な世界や、どこか浮世離れしつつも美しい美術、そのあたりの作り込みも素晴らしく、作品の面白さに拍車を掛けていますね!

あと、これだけ自由意志の話をしておいて、大佐にロボトミー的な(ヤギの脳?)手術をするブラックさにも笑いました。
テーマぶち壊しの様な気もするけど、このトーンだから、こんなに楽しめたんだよなぁ。笑

うーん!素晴らしかった!
今後も、ヨルゴス・ランティモス監督は要チェックですね!!
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