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秀子の応援団長のimaponのレビュー・感想・評価

秀子の応援団長(1940年製作の映画)
4.8
念願の初観賞。素晴らしい!不思議な大感動。活字やスチールでしか知らない往年の職業野球名選手の練習やプレーが見られるだけでも価値あり。
現代に作られる戦前戦中舞台の野球映画では到底現せない同時代の味。

時は1939年頃、アトラスのエースが出征するなど戦争の影はあるが、まだまだ長閑にベースボールを楽しめる良き時代。すぐ後に敵性語の禁止など戦渦に巻き込まれる暗い歴史を迎えるだけに野球描写のキュートさが際立つ。選手が一球一球首をかしげたり、監督とベンチの一緒に球を追う目線とか。
歓声と拍手が主体の観客席に轟く可愛らしい応援歌。どこか学生野球応援団はこの曲をリバイバルして欲しい。
ああ、もう一度このようなスタジアム環境でプロ野球観戦をしたい。
ただ、劇中での使い方、相手の攻撃で守勢に回っての「打て!打て!」は無いでしょう。

「野球小僧」の灰田勝彦が気の弱い投手役で一曲歌う。

アイドル・デコちゃんは近所の子供と野球をしたり、家庭事情で参加できない子の家で号令かけての家事手伝い。窮屈な家庭でものびのび明るくお茶目。

時代の良き部分が切り取られていて幸福感に浸れる。
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