東京国際映画祭2023 ⑧
"映画も血で染まっているのだ”by 監督
20世紀初頭の南米チリ。
イギリスが原住民を虐殺した事件がテーマとなっている。
諸悪の根源メネンデスとか、虐殺行脚を行った"赤い豚”マクレナンなどは実在の人物で、今でも通りの名などになってるんだとか。
この映画は、マクレナンに付き従えと命令された原住民と白人の混血の男を通して描かれる。
なかなか残酷なストーリーだし、それに伴ってエグめのシーンもあり。
あのクズ野郎マクレナンにすら…。
しかし終盤で急に場面転換。
そこからの描き方は唐突すぎてちょっとビックリ。
でも白人や富豪たちが如何に理不尽に、勝手な理屈で原住民たちを好き放題していたかが良く分かる。
あのメネンデスの娘の語る言葉の何と傲慢なことか!
監督のQ&Aによると、予算が足りなくて10ヶ国くらいの共同制作に。
それが逆に色んな意見が聞けて良かったと。
監督の話でとても興味深かったのが、昔の西部劇は白人がヒーローで原住民が悪というふうに描かれていた。
だから監督はその逆を西部劇というフォーマットを使用して描きたかったと。
要するに映画もプロパガンダのひとつ。
歴史修正主義者たちが次々と映画を利用していくなかで、一帯誰が歴史を作ってきたのか。
それを皆に突きつけたいという思いがあったという。
それがレビュー冒頭の監督の言葉に繋がる。