ちくわ

アポカリプトのちくわのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
4.7
上野でやってる古代メキシコ展の予習も兼ねて久々に観返してみたらやっぱり面白いし、展示の解像度が爆上がりして大満足だった。

展示内容がアポカリプトに出てきた都市に見られたものが多くて「これ映画で見たことある…!」と進研ゼミの漫画のような体験をした。母子が落ちた穴が都市や集落の近くにあるセノーテと呼ばれる陥没穴で、普段は井戸として機能していることや、青い染料についてはわからず終いだったけど女王を埋葬するときは赤の染料で染めるだとか、目から鱗なものばかりだった。

生贄文化が根付いたのが、雨が少なく収穫が不安定で神頼みをしていたことに起因していて、展示ではその点をマイルドに扱う一方で映画だと暴力の限りを尽くしている。当時終盤のスピード感ある鬼ごっこが印象的でその記憶が強かったから、序盤の家族を離散させられレイプされる描写が相当しんどかった…生贄捧げまくってた史実についてこんだけハードコアなものを見せられたから、展示の音声ガイド(上白石萌音)で「恐ろしいですね〜」みたいなすっとぼけたことぬかしてたのがツボに入って笑えました。

暴力描写が強烈過ぎて当時はあまり気にしなかったけど、父も母も家族を守るために生き延びようとする姿に胸を打たれる。お前はここまでの覚悟をもって父親の役割を果たしているか?妻子のために滝壺に飛び込む覚悟はあるか?と問われているようで、襟を正していきたい所存です…
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