ちくわ

サウナのあるところのちくわのレビュー・感想・評価

サウナのあるところ(2010年製作の映画)
4.5
いろんなサウナを紹介するドキュメンタリーなのかなーくらいで観たら、喪失感を抱えて生きる男たちのお話だった。サウナで整うとかいう次元を超えて、ロウリュがフィンランドの男たちを優しく包んで浄化する、とんでもなく慈悲深くて涙を誘う作品。

最近サウナオタクの友達によくサウナに連れてってもらうんだけど、サウナで込み入った話に及ぶこともよくあったから、劇中で男たちが語り始める気持ちがよくわかる。そもそも裸の付き合いができる仲間だからってのはあるけど、身体的な弱点であるおちんちんを露わにしてる以上、自身のトラウマや喪失感を語るのは必然だよなぁと。最後の娘を亡くした父の話は特にグッときてしまい、まさかドキュメンタリーでここまで心を揺さぶられるとは思ってもいなかった。

度々映されるフィンランドの情景はとても良かったが、埼玉が誇るムーミンバレーパークも正直負けてないなと。むしろこの映画、飯能でロケしてる疑惑さえある。
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