まーしー

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のまーしーのレビュー・感想・評価

3.0
ベネチアの屋敷の降霊会に立ち会ったエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が、不可思議な現象と事件に挑むシリーズ第3作。

今回も「嵐の中の屋敷」という閉鎖的な環境が舞台。
サブタイトルから連想できるように、本作の特徴はオカルトホラーの要素が含まれていること。突然のシャンデリア落下、動き出す椅子など、超常現象が相次いで起こる。
ただ、こうした事象にも「フェイクだ」と一貫して主張するポアロ。そこには、いかなる事件・事象も解明できるという自信が見え隠れする。

そのポアロに正反対に位置するのが、降霊術を扱う霊媒師の女性。霊に話しかけるように発した「リスニ~ング」というフレーズが耳に残る。
この女性、エンディングでミシェル・ヨーと知って驚いた。

舞台となる屋敷で起こった過去の悲劇。
その悲劇に関連する人々の終結。
そして、その人たちの前で起こる超常現象と事件。
古典ミステリーの典型的な設定のもと、わずかなヒントを頼りに謎を解き明かしていくポアロは、本作でも名探偵の名に相応しい活躍だったように思う。

長さを感じた前作の反省があったのか、本作は100分程度の良心的な作品時間。テンポよくコンパクトにまとまっている印象を持った。