こなつ

BAD LANDS バッド・ランズのこなつのレビュー・感想・評価

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
3.8
黒川博行の小説を原田眞人監督が待望の映画化。予測不能のクライムサスペンスという予告編と安藤サクラ主演に惹かれて鑑賞。

ネリ(安藤サクラ)とジョー(山田涼介)は、血の繋がっていない姉と弟。子供の頃、ネリの母がジョーの父と再婚したのだ。

ネリは大阪で犯罪組織の一員になっていた。「オレオレ詐欺」グループの受け子のリーダー。ターゲットを見付ける為に名簿を作成し、劇場型の複雑なシナリオで騙していく手口。演技指導をしたり、警察がいないかチェックしたり、お金を受け取るタイミングを受け子に指示したり、リーダーというのが最後まで受け子に付き添って?慎重に事を進めていく。電話を掛けまくる掛け子に、違法ルートでスマホなどの小道具を調達する道具屋。その組織化された詐欺集団を追う刑事佐竹(吉原光夫)たち。実際にこうやって身元や居場所がバレて行くのだろうなと納得してしまうリアルな捜査。

過去の犯罪で刑務所に入っていたジョー。本当の姉と弟ではないのに、ある出来事によって強い絆がある。姉のネリも東京で悪い男に出会っていて、その男から逃げて大阪にいた。犯罪組織を操っている高城(生瀬勝久)がネリの実の父親とは、、、冷静で洞察力のあるネリに期待していた高城だったが、娘の心の深い闇には最後まで気付けなかった。

ジョーもネリの昔の男・胡屋(淵上泰史)もサイコパスで不気味過ぎる。賭博場の元締め村田(サリngROCK)といい、曼荼羅(宇崎竜童)といい、裏の世界に生きる者たちの底知れぬ闇には迫力があった。

関西弁の会話劇。聞き取れないというか言葉が理解できないというか、難しい。そういう意味でちゃんと物語を追っていけていたか良くわからない。

ネリは逃げ通せたのだろうか、、ラストに走る彼女の姿は清々しくも見えるし、苦しくも見えた。安藤サクラが熱演。
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